長女は2歳から6歳頃まで吃音がありました。
次女も3歳から5歳まで吃音が出たことがありましたが、
次女は症状が軽かったので長女のことを中心に記録します。
幼児の吃音
吃音が始まった日のことは鮮明に覚えています。
長女が10歳になった今も、始まった瞬間の様子をこれだけハッキリと思いだせるのは、やはりそれなりに自分自身、ショック、驚きに加えて母である自分を責める気持ちがあったのだと思います。
その日は土曜日で保育園の参観日でした。
私は次女を妊娠中、悪阻があり体調が良いとは言えない状況でした。
繊細さんの長女は、参観日にたくさんの父兄があつまっていることに少し不安を感じていたと思います。
吃音が始まったのは、参観日からの帰り道です。
長女は言葉が早かったわけではありませんが、明らかにどもりました。
「お、お、お、お母さん」という感じです。
最初はあれ?と思いましたが、何も触れることなく過ごしていました。
その日から少しずつどもることが増えていきました。
話せなくて苦しい
言いたい言葉があるのに、口から出てこない辛さは味わった本人にしかわからないのかもしれません。
私も大人になってから吃音を経験しているので、苦しさはそれなりにわかります。
でも我が子がどもっていると、自分のこと以上に心配です。
主に私が気をもんだことはこの3つだったと思います。
- 精神的に辛いことがあるからどもっているのか
- 言葉を覚える時期に吃音の影響はどうなのか
- 保育園でいじめられたりからかわれたりしていないか
この3つの不安を解消していくために色々と考えたので、順に記載していきます。
精神的に辛いことがあるから吃音になるのか
これが一番母として辛いですね。
自分のせいではないか、と自分を責める気持ちは拭えませんでした。
次女を妊娠中で思うように長女と遊んであげられていなかったからなのか。
夫が単身赴任中で寂しい思いをさせているからなのか。
参観日のとき、長女は母の私から離れられずせっかくの参観日なのに、と責めてしまったことが伝わったのではないか。
上手く話せない長女を見て、どこか自分自身を責めていました。
ただ、母が不安そうにしているのは子にとって悪影響に決まっているので、母の不安は解消するしかありません。
不安は学び、知ることで多くを解消することができると思っています。
まずは、本を読み学びました。
菊池先生の本は数冊読みましたが、この本が最も読みやすく、知りたいことが詰まっていました。
知ることで解消される不安も多くありました。
自分がどうしてあげたらよいのかを知り、
子ども自身はどのような状態なのかを知ることで大半の不安は解消されます。
印象に残っている言葉は『子ども自身はどもっていることをそんなに気にしていない』ということ。
逆にどもっている子どもに対して「もう1回言って。ちゃんと言ってごらん。言い直して。」などという対応をしてしまうことにより子ども自身にどもっている、自分はちゃんと話せていないんだ、ということを意識づけてしまう、ということです。
子どもと接するうえで最も気を付けていたことはこの3つです。
- 決して言い直しをさせない。
- 理解しているよ、ということを伝える(相槌や復唱)
- 親自身がゆっくりと見て話す
言葉を覚える時期に吃音の影響はどうなのか
言葉の発達が著しい2歳半。
長女は言葉の発達が早い方ではありませんでしたが、健診や保育園で発育を指摘されるほどは遅くありませんでした。
その時期に吃音が始まり、言葉に遅れが出るのではないか、という心配はありました。
長女の場合ですが、10歳になった現在も全く問題はありませんし、言葉の習得には影響しませんでした。
保育園でいじめられたりからかわれたりしていないか
子どもは正直です。
思っていることをそのまま口に出してしまいます。
それは仕方がない。
でも、どもっていることを意識させないようにするのが良いとされているのに、保育園でお友達に指摘されるのではないか?いじめられたりからかわれたりしていないか?という不安はありました。
保育園の先生に吃音のことを相談しましたが、どもっていることには気づいていませんでした。
これは先生が子を見てくれていないとか、保育園ではどもらない、という問題ではないと思っています。
これは後に通うことになる言語聴覚士の療育で言われたことですが、保育園の先生が何十人という2歳児を相手にしていると、1人の子とゆっくりと時間をとって話すことがないので気づかないのだということ。
保育園で子どもが先生に話しかけるとしたら、
「せんせー!みてー!」とか、短文ですし、先生も一人にじっくり向き合っている時間はありません。
長女がどもるのは特に伝えたいことがたくさんあるとき。
保育園から帰ってきて、今日はあれをやってこれをして、〇〇ちゃんが□□くんとぶつかって・・・と話したいことがたくさんある!聞いて聞いて!!というときです。
年長のときには少し真似をされたり、嫌な思いをしたこともあったのですが、数回でしたし、そのころには本人も吃音と付き合い方を学び始めていました。
『どもってしまうことはあるけれど、話したいことがたくさんあって頭と口が同じにならないことがある。それだけ。』そんな感じで話していたので、それを理解できていました。
保育園ではどもっていても本人も先生も園児もほとんど気にしていませんでした。
まとめ
吃音を最も気にしてしまうのは親。
子は思ったほど気にしない。
不安は学んで知ることで多くを解消することができる。
子どもの吃音に悩む気持ちはとってもわかります。
参考になればうれしいです。